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  「は? 魔法陣の描き方が分からない? おいおい、その冗談は流石に無理があるだろ」   俺が魔法陣の描き方を尋ねた時のルファの反応がこれだ。彼は呆れ顔でため息をついている。      それもそのはず、俺… いや、ノートは今まで当然のごとく魔法を使っていたのだから。そんな人間が突然魔法陣も描けませんと言っても、ルファからはふざけてるようにしか見えない。つまり、魔法陣の描き方を聞き出すには、ルファから見て不自然にならないように尋ねる必要がある。俺は考えた末、博打を打った。   「いやいや、この前ルファが使ってた必殺技だよ。えーっと… 」   「ああ、『クリーピンスネーク』のことか?」   「そうだ、クリーピンスネークだ。あれ教えてくれ。俺も使ってみたいんだ」   術名が聞き出せた。あとは魔法陣だけだ。   「まあ最初は俺がやってみるから、しっかり見てろよ」   ルファはそう言うと、制服のポケットからメモ帳を取り出し、青色のペンで魔法陣を描き始めた。俺は忘れないようにそれを凝視する。   「じゃ、いくぞ!」   ルファはペンをしまい剣に持ち変えると、切っ先を正面に向けて構えた。   「泥よ、地を這う大蛇となれ――   “Creeping snake”」  
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