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「土よ、泥を噴く火山となれ――
“Black volcano”」
ルファはまだ説明中の俺に攻撃してきやがった。足元が突然隆起する。嫌な予感がした俺は、後ろ跳びでその場を離れた。次の瞬間、目の前にドス黒い泥の柱が噴き出した。まさに泥火山だ。
ルファは驚いて尻餅をついた俺を見下ろして言った。
「何があったか知らないけど、そうやって俺を油断させるつもりだろ?」
「話聞いてました?」
「立て。お前の本気を引きずり出してやる」
「俺はとっくにマジだよ。マジで俺は別の世界から―― 」
ルファは俺の必死の訴えを無視して木刀を構える。
「次は当てるぜ」
「…‥…。」
はい、もう全力で逃げましたよ。あいつには何を言っても通用しない。話もまともに聞いてくれない。
「泥よ、彼の者を撃つ砲丸となれ――
“Fragile cannon”」
「ちょ、泥玉いっぱい! ぎゃあ~ 」
逃げる俺に無数の泥玉が容赦なく飛んでくる。まあ泥だから当たっても痛くはないのだが。
こうなったら大人に頼るしかない。鉄の鎧を装備した教師に相談してみよう。彼なら理解してくれるかもしれない。
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