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「ちょっと、ノート泥臭いんだけど」
「うぅ… ボクね、底なし沼に嵌ってね、剣でぺちぺちされてね、すごくね、痛かったの… ぐすん」
「真面目にやらないからだろバカが」
昼休み、食堂での俺とミラの会話である。
あの後泥まみれになった俺は、校内に設置されたシャワールームで体を洗ったのだが、体中の痛みと臭みは消えなかった。
「悪いな。間違って悪臭弾放っちまった」
間違ってじゃねえよ。悪意丸出しじゃねえか。
「ちょっとルファやめてよ。すごい迷惑なんだけど」
ミラは自分の鼻をつまみ、もう片方の手で俺を払う仕草をする。それ地味に傷付くから止めて欲しいのだが。
「そりゃあミラちゃん、ノートが臭かったら抱き付けないからな。ははっ!」
「ち、違うわよ! 別に抱きつきたくなんかないもん!」
ミラは赤面しながら、大声で恥ずかしい台詞を叫んだ。こいつ普段は鬼だけど、結構可愛いヤツだな。
ルファはさらに口撃を続ける。
「ははっ、顔真っ赤だぜ。照れてんのか?」
「う、うるさい!」
ミラには朝からやられっぱなしだったし、せっかくだから俺もいじってやるか。
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