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「おいおい、どこだよここ… 」
そこは俺の全く知らない世界だった。
まず部屋が違う。俺の部屋はもっと狭くて、物があちこちに散乱した小汚い場所のはずなのだ。だが今目に映っているのは、明らかに金持ちの部屋だった。広い部屋にデカいベッド、綺麗に整頓された本棚に赤い絨毯。実に品のある部屋だ。
しばらくベッドでゴロゴロしていると、部屋中にノックの音が鳴り響いた。
「坊ちゃま坊ちゃま、早く起きて下さい。外でミラさんが待ってますよ!」
聞こえてくるのは老人の声。俺のこと坊ちゃまとか言ってたし、おそらく彼は執事だろう。まあミラが誰だか知らないけど、あまり待たせるわけにはいかない。
俺は部屋を出て、どこにあるかも分からない洗面所へと向かった。
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