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  『昨日は君の体を使わせて頂いた。私がノート・ブルークレイだ』   それはノート君が書いたものだった。俺は興味津々で手紙の続きを読んだ。   『昨日は楽しませてもらったよ。初めて目にするものばかりで、とても貴重な体験だった。なにより、いい退屈しのぎになった』   こっちは散々苦労したってのに、何が退屈しのぎだよちくしょう。     『君も魔術の世界を体感できて、さぞ楽しかっただろう。君にとっては夢のような、ずっと憧れていたであろう世界なのだから』   いやいやいやいや、地獄のような世界だったわ。魔法も使えない俺が、使えて当たり前みたいな場所に放り込まれたんだ。楽しいはずがなかろう。   『この世界でも魔法が使えるかどうかを確かめる為に、少し試し撃ちさせてもらった。ちょっと汚れたけど、この部屋自体が既に散らかってたから問題ないよね(笑)』   笑えねえよ。ちょっとどころか、部屋が半壊してるだろ。魔法だって少しではない。明らかに乱発した形跡がある。   手紙を持つ手が、怒りでぷるぷると震えだす。
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