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玄関の前には美少女が立っていた。腰の位置まである薄茶色の髪が印象的な、背の低い人。どうやらこの子がミラのようだ。
うは可愛いなあ、とか思って見とれていると、ミラは呆れた顔で俺に言い放った。
「何でまだ制服着てないの? 早くしないと遅刻しちゃうよ」
「制服? ああ、学校か… 」
「ああ、学校か… じゃないわよ。まだ寝ぼけてんの?」
ミラは俺の腕を掴むと、そのまま家に上がりこんで、早足で俺を部屋まで引き戻した。
「早く着替えろよバカが」
乱暴な言葉と共に、俺を蹴り倒して部屋を出ていった。
「痛っ、なんだよあいつ」
あの女、可愛い顔して結構やりやがる。男みたいな腕力に、あの強引さ、そして口の悪さ。これからあの女と学校に行かなければ行けないと思うと、少し憂鬱になる。
ゆっくりしてるとまた蹴られそうなので、急いで制服に着替ることにした。どこの学校の制服か知らないけど。
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