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俺は着替えながら、昨日から今に至るまでの出来事を思い返してした。
昨日もいつものように学校に行ったんだ。幼なじみの乃亜のスカート捲ったら殴られたんだっけ。あと世界史のハゲ教師の似顔絵書いてのがバレて、放課後に呼び出されたんだ。家に帰った途端に眠気が襲ってきて、すぐに寝ちゃったんだよなあ。あ、四つ葉のクローバー見つけたわ。
そして気がついたらこの有り様。手がかりになるようなことは何一つ思い出せないくせに、くだらないことばかり覚えてる。
「ははは、これは夢だよな。うん、悪い夢だははは」
嫌な予感は拭えないが、そう自分に言い聞かせるしかない。
着替えを済ませた俺は、急いで部屋の扉を開けた。
「悪い。待たせた――ゴフッ!」
扉を開いた瞬間、ミラの正拳突きが下っ腹にヒットした。
「遅い!」
ミラは力無く倒れる俺を見下しながらそう言うと、俺を引きずって家の外へと歩き出したのだった。
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