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 俺は腹を抱えながら、見慣れない道を学校目指して歩いている。隣にはミラ。凛とした横顔は素敵なのだが、性格が危険過ぎる。美しい薔薇にはトゲがあるものだが、ミラの凶暴性はトゲでは収まらない。刃のような鋭さを内に秘めている。      さて、ここで俺はミラにいろいろと疑問をぶつけてみた。   「ここはどこだ」   「また目が覚めないの? ならもう一度… 」   「あはは、冗談だよ。冗談に決まってるじゃないか」   危うく昇天するところだった。どうやらミラには、俺がふざけた質問をしているように感じたのだろう。俺は大真面目なのだが。      これ以上同じ問い掛けをすると問答無用で殴られそうなので、別の質問をしることにした。   「なあ、お前誰だよ」   ミラはさっきとは対照的に弱々しく言葉を返してきた。   「ちょっと、悪い冗談やめてよ」   そう呟いて俯くミラの顔は、今にも泣き出しそうな表情だった。
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