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家に帰って来て、お母さんに「どうだったの?」と聞かれ
私は「異常は無いって」と素っ気なく言った
お母さんは安心した顔で「そう…」と言った
少し時間が過ぎて下の階から弟の声で「お姉ちゃーん、ご飯出来たよー」と聞こえ
私は読んでた本を閉じて本棚にしまい下の居間に降りた
「今日、お父さんは?」私が聞くとお母さんは「残業だって…」と
またか…
お父さんは、前に昇任して仕事が忙しくなった
それで最近は、めったに家には帰って来ていない…
「ご馳走様」
「ご飯、残ってるわよ…?」
「余り食欲無くてさ…」
言って私は自分の部屋に戻った
暫くしてドアをノックする音がした
「どうぞー…」
ドアを開けて入ってきたのは弟だった
「お姉ちゃん、一緒にゲームしよ?」
手にはテレビゲームの本体(薄型PS2)と何本かのカセットが持ってあった
私は笑いながら「良いよ、入っておいで」と言った
弟は笑いながら私の部屋に有るテレビに配線などを繋げている
ここの所、毎日私の部屋に来ている
無理も無い
弟は、まだ小3で本来ならお父さんと一緒に遊んだりしたいはずだ…
それを泣き言も言わない所は逞しく感じる
「流石にPS3は重たいから持って来れないよねー」と私が言うと
弟は「うん…」と小さな声で頷いた
PS3はお父さんが弟の誕生日に買ってあげて一緒にゲームをしようと言っていたが、それから直ぐに昇任してしまい結局一度もお父さんとは出来ずにいる
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