プロローグ

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―2020年10月5日― 『ドワァァァァア!!』 実況)『さ、さぁ! いよいよ後1球になりました! 今日、我々は新たな伝説の目撃者となれるのでしょうか!?』 《カチャ、ググ…》 ?)「――…っ!」 《ギュォォォン!!》 敵打者)『クソッ!』 《ブンッ!…ドシィィイ!!》 審判)「ストラックアウト! ゲームセット!」 『ドワァァァァア!!』 実況)『や、やりました! ラストバッターは空振りの三振! 見事、日本人メジャーリーガー橘 真人! 完全試合達成ーー!』 真人)「…ふぅ…」 最後のコールを聞いた俺はマウンド上で小さく息を吐いて青いサングラスを外す。 この季節にサングラスはおかしいかもしれないが、俺はこれをシーズン中一度も忘れたことはない。 アメリカに渡り5年。 俺はようやくこのメジャーと言う舞台に上がることが出来た。 勿論、始めから上手く行っていたわけではない。 俺がこうしてマウンドで投げられるのは、たくさんの人々の支えがあってこそ。 だから、この物語の主人公は俺じゃない。 俺の…嫌、俺達の軌跡を…少し話すことにしましょう。 少し長くなるけど、最後まで聞いてくれると嬉しいな。
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