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ハア…ハア…
音羽は寄り道をしないで、あの…男の子がいた近道のほうに走った。
そして…
ハアー…
ハアー…
「着いた…」
息切れしながらもそうつぶやいた。
音羽はさっそく辺りを見渡した。
しかし
「いない~」
そう、あの傘を入れてくれた男の子はいなかったのだ。
「ねぇー昨日、傘入れてくれた人ー。お礼におやつ持ってきたよー。どこにいるのー。出てきてー!!」
音羽はとりあえず叫んで見た。
でも聞こえるのは風にゆれる草木の音だけだ。
子供の声はちっとも聞こえない。
「うーん…いないのかな?」そう思ったが、
しばらく待つことにした。
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