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たらこスパゲティーは
偉大である。
黒色の、たわし のように硬い、
ゴワゴワとした髪を持つ青年は
ふとそんなことを思った。
それは、彼の彼女が
たらこスパゲティーを美味しそうに頬張ることに関係しているの
だろう。
夢見町の桃園商店街を
23メートルと40センチ進んだ所に
彼女のバイト先がある。
『にゃん豆ぐるり』という
妙な響きの店名からは
想像も出来ないほど美味しい
イタリアンが食べられる
なかなか繁盛した店だ。
この店の看板メニューが
たらこスパゲティー。
カロリーの高さと店員さんの
魅力の無さ、“儀式”さえ
無ければ申し分ない。
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