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その時、彼とはまた別の影が
ガラスに映る。
「祐一さん、どうされたんですか」
幼さの残る女の声。
「今、私の彼女を探しています」
そう、この青年が店に入らないのには理由があって、
罰ゲームのような“儀式”
を見ることが本来の目的ではないのだ。
つまり、自分の彼女の働く姿を
見に来た、というのが本音。
女は青年から一歩引くと、
「ここにおります。見えてはいませんか」
と言った。
しかし、少年は振り向きもせずに首を横に振り、目を伏せた。
女は続ける。
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