†連続強盗犯†

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そう、さかのぼることわずか数分。 「・・・・隠れなくては・・・。」せわしく翡翠色の瞳が動く。 その翡翠色の目に窓が映る。 「あれだ。きっとだいたいの建物にはついてるはず。」と言い窓を開ける。 「あった!」そうつぶやくと足音を警戒しながら外へ飛びだす。 しかしここはビルの最上階落ちれば怪我では済まないだろう。 だが、彼は身を投げたわけではなかった。 建物の窓にはたいてい付いている雨をよけるための屋根、正式名称もあるが今は置いておこう――にのっていた。 窓をゆっくりと閉め、見えないようになるべく端による。 一歩踏み外せば、落ちる。 間一髪のところでばれずに済んだようだ。 「金を取ってくるだけだと油断したのが間違いか、もう少し作戦を練ってくるべきだったな。」自己嫌悪する。 スリ団の男たちの会話に耳を傾ける。 「やはりあいつがスリ団の頭ねぇ・・・ひどい顔だ。」どうでもいいことを言っているが気を抜けば危ない位置にいるのを思い出して気を引き締める。 「例のもの・・・?何なんだ?」男たちの会話に違和感を感じたが誰もいなくなったので窓から中に入る。
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