†連続強盗犯†

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「この部屋か?」先程男達が出て行ったドアに近付く。 どう見ても最近のセキュリティシステムなんて搭載していないようなごく普通のドアだ。 「こういうのは逆に苦手なんだよなぁ・・・・ハッキングとか出来ないし。」呟きながら翠のジャケットの内側からドアを無理矢理開けるための道具--ピッキングツールを取り出す。 しかしいつ男達が帰ってくるのか分からないので手早く鍵をこじ開ける。 こじ開けると言ってもほとんど傷跡を残さず綺麗に開ける。 カチャカチャと数秒、すんなりと鍵が開く音がする。 「楽勝。」と言いながらスルリと中に滑り込む。 入った瞬間探していたものを見つける。 「ビンゴ~呆れる程単純な奴らだな。」目に入ったのは大きな黒い金庫だ。 「しかしこれが1番の山場だな。」金庫は暗証番号をダイヤルで合わせていくタイプだった。 「コンピューター制御だったら簡単だったのに・・・・。」彼は機械類にかなり強い。 ハッキングは十八番だ。 ダイヤルの近くに耳を当て集中する。 少しずつダイヤルを動かし微かな音を頼りに番号を合わせていく。 常人にはまず無理な方法だ。 何度も集中が切れそうになる。 それは突然終わりを告げた。 ガッチンっと大きな音がなる。 「きたか?」耳を離しダイヤルの上にあるレバーを引く。
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