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「・・・・・・。遅い・・・。遅い・・・・。」
と、呟きながら部屋を歩き回る男。
軽いウェーブのかかった髪の間からブラウンの瞳がのぞく。
しかしそれはかぶっている帽子のせいでよく見えない。
彼はこのあたりで犯罪を防止する刑事だ。
舌打ちをした瞬間、部屋がノックされる。
「ジャス刑事、お客さんです!!!」ジャスとはこの刑事のコードネームだ。
「通せ。」苛立ちを隠すことなく言い放つ。
「貴様は時計もまともに見れんのか!!!!」と入ってきた細身の男に怒鳴りかかる。
「うるさいな・・・・。朝っぱらから怒鳴るな。」薄灰色の髪の間から眼鏡を通し翡翠色の目が睨んでくる。
「お前の朝っぱらは昼か?あ?」閉まっていたカーテンを開けながら問う。
「眩しい閉めろ・・・・。ちゃんと仕事は、してきたんだからいいだろ?」
持ってきた小さな包みを部屋の真ん中にある机の上に放り投げる。
「そういう問題じゃない。」と言いつつも机の包みを開ける。
「確かに受け取った。次の仕事だが・・・」と、言おうとした瞬間目の前の男が嫌そうな顔をする。
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