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「さてと、金が置いてある場所はどこかな。」セミオートに右手を添えたまま当たりを見回す。
現在はビル最上階の廊下だ。
「スリなんて姑息な手を使う奴らの頭は金に目ざとい。だから自分の手元に置いておきたいはずだな。」そう呟き歩きだす。
「だいたい頭とか高い場所が部屋だから、きっとこの辺りにあるはず。」セミオートをベルトから外しながら壁に体を付け1番近くのドアに耳を傾ける。
人の声だ、しかしそれはドアに阻まれよく聞こえない。
すると奥の階段から人の足音が聞こえてくる。
入ってきた屋根裏に戻ろうと走りだす。
しかしそこに行くには階段の前を通過しなければならない。
「駄目だ足音は近い。」
走り出すのをやめ当たりを見回す。
殺風景な廊下には隠れる場所なんてない。
足音の主はとうとう最後の段に足を掛けた。
「!!!」
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