其の形は火傷が如く

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私達は7泊8日の用意で船に乗り込みました。 船の名前はマリリアント号。豪華客船でした。 船の中は綺麗な装飾でタイタニックを思い出させました。 「よう。」 船の中で私達は親友と合流しました。 しばらく3人で近況報告をしたりしていると、船は汽笛を鳴らし、動き始めました。 私達には初めての船旅で、これほどわくわくしたのは、もしかしたら、彼との初デートか、小学の頃の遠足以来でした。 「そろそろ食事の時間だ。飯食いに行くか。」 親友がタイムテーブルを私たちに渡してくれました。 確かに、夕食は7時とかかれていました。 現在の時間は6時50分です。私達は大食堂に向かいました。 大食堂は高級フランスレストランをおもわせるような豪華さがありました。 「あれ?あの男…」 彼がレストランに入るなり、奥にいる袴姿の男の人を見つけました。 「ん?どうしたの?」 私は彼に聞いてみました。 「いや、あいつ、居合いの達人だって、この間テレビでやってた。」 「あぁ、そんなの俺も聞いたことがあるなぁ。」 親友も知っているようでしたが、興味なさそうに椅子に座りました。 「え~、私がこの船の船長の南です。 え~…」 船長の長々としたスピーチなど聞き流しながら、私達は食事を始めました。 食事は美味しい物が出され、大満足しました。 翌日も私は楽しく過ごせました。 しかし、彼は青ざめていました。 「どうしたの?」 「い、いや、ちっと、酔ったみたいだ。」 彼は気持ち悪そうに口元を押さえていました。 「船酔いか?さっき飯食ったばかりじゃないか。大丈夫かよ。」 「ああ、ちと外の空気を吸ってくる。」 彼はそう告げると、甲板に向かいました。 彼は、照明の落とされた甲板にでるとタバコに火をつけ始めました。 紫煙が暗やみに消えていきます。 穏やかな夜でしたが、星は見えませんでした。 彼は船の頭に向かい、風を受ける。 少し気分が良くなったとき、人影が見えました。 「あ、船長…」 暗い闇に船長がたっていました。 顔は見えませんでしたが、服装からして間違いありませんでした。 彼が近づいて、タバコを一本出します。 「どうっすか? 安物で………すが?」 差し出したタバコの使用されるはずの口が船長にありません。 いいや、頭すらなかったのです。 「ひっ…!」
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