第1話 冷戦の置き土産

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車両庫へ行くには廊下を突き当たりまで進み、階段を下って地下一階まで行き、そこから鋼鉄の巨大なドアを開けて入らなけりゃならない ぐずぐずしてたら殺られてしまう 僕たちは走り始めた 階段前の踊り場の近くまで来たその時だった いきなり踊り場の陰からロシア軍VSRパターン風の迷彩服を着た二人の東セレリア兵が飛び出してきたのだ 「っ!!」 次の瞬間には四発の乾いた銃声 エーファが二人の頭にダブルタップ(銃を二回ずつ撃って、敵を確実に殺す技術)で380ACP弾を二発ずつ叩き込み、一瞬での大脳と延髄を撃ち抜き、死んだ彼らに引き金を引かせることすら許さなかった 僕は、まるで糸の切れたようにその場に倒れた二人の人間を見ても特になにも思わなかった エーファが死体からエジプト型のT字フォールディングストックのついたAK47S(東セレリアではM53Sとか呼んでいるらしいが)と弾薬を分捕るなり 「マリー、こいつを持て 予備マガジンは二本だ」 というなり、マリーに一丁渡した 「うまく使えるといいけど・・・」 そう言いつつマリーはそれを受け取ったimage=337116723.jpg
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