第1話 冷戦の置き土産

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階段を二階分ほど降りて、ようやく地下一階の目的のフロアにたどり着いた ここまでに三人ほど敵兵に出会ったがエーファがAK47Sで倒してしまっていた 「おそかったわね、エーファ、マリー」 イルマ・ツェルニーだ 彼女は先に来て、戦車の点検をしていたようだ 彼女の服にはべっとりと血糊がついていた 「イルマ!その服の・・・」 「私の血じゃない マリアの血。彼女を運んだときについた」 とてつもなく暗い顔でイルマは言った マリアは確かイルマと同じクラスの娘だ 一度見たことがあるけど、どちらかというと運動部員みたいな雰囲気の娘だった それ以上のことを僕は知らない それ以上そのことについて二人は聞かなかった
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