第1話 冷戦の置き土産

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僕は西セレリアのミューンという町の高校に通うことになった ここにきて心底驚いたことがある 高校に戦車があるんだ 西セレリアでは上級学校二年生(日本でいうところの高校2年だ)から軍事教練が義務づけられてるのは知っていた でも機甲科があったとは・・・ しかも、ここに配備されてるのは身長制限のあるフランス製のAMX-13なんていう戦車のせいか、機甲科は女子限定 世の中、変わったこともあるものだ 「なにボーっとしてるの、コー?」 黒に近い茶髪の髪が美しい、優しげな顔立ちのこの女の子はマリー・ミクリン 機甲科だ こっちでの数少ない貴重な話し相手だ ゲルマン系が多数を占める西セレリアだが、もちろん少数派のスラブ系もいる 彼女はそんな中の一人だ 「ぼーっとしてちゃ悪いかよ」 ちなみに英語だ 西セレリアは第二公用語が英語で、結構話せる人が多いから助かる 「もっと積極的に話さなきゃ そんなんじゃ友達できないよ?」 「いいんだよ、あと三週間の辛抱だから ところで、最近のAMXの調子どうよ?」 「部品のストックが少なくて・・・ イルマがだましだまし動かしてるよ」 イルマは彼女たちの戦車の操縦手だ
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