最初で最後のひと…*

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ぼおーっとしばらく、月を眺めていた。 すると、手の中の携帯が鳴り始めた。 亜樹乃かな?と思い、ディスプレイを見ると、 「あれ、夏じゃん。」 通話ボタンを押し、携帯を耳に持っていった。 「…もしもし?」 『よー、葵衣!』 何故かテンションが高めの夏… なんかあったなあ… 「どうした?なんかあった?」 どーせ、聞いてほしいんだろ? 『はは、あはは!俺もう、まじ幸せかもー!いや、幸せ!』 …始まった、のろけかよ。 「どーせ、美知のことだろう?本当好きだな。」 自然に笑顔になる。 『だって…ああもう。この気持ちを誰かに伝えたい!この幸福感を…』 なんか美知に言われたか、されたかだな、こりゃ。 まあ、亜樹乃からの電話もないし、話聞いてやるか… 「よし、聞いてやろうじゃないか。」 そう言ってやると、夏は一方的にペラペラ喋り始めた。 まあ、この話は後程で… ちょっと、想われてる夏が羨ましかった。 「ふーん…いいな。」 『だろだろ?あー、葵衣も山田に言われたいよなー。はは!』 「もちろ…」 あ、やば。 夏には亜樹乃のこと言ってないはずなんだけど… あれ?ん? 「お前、なんで知ってんの!?」 『さあな?』 美知だ。 絶対美知のやつが… まあいいや。
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