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『夏ー!ただいまあ!』
電話越しに美知の声がした。
『おかえり!葵衣、美知帰ってきたから、また連絡するな!』
「うん。のろけをありがとう。幸せにな?」
『お前もな?じゃ。』
電話を切り、一息ついた。
「ふう…いいなあ…」
恋愛に全く興味がなかったのに、亜樹乃を好きになってから、人の幸せそうな話を聞くと、めちゃくちゃ羨ましく思う。
恋ってすげーって思った。
まあ特に影響力が強いのはもちろん夏と美知なんだけど。
「…そっか、美知が。夏も幸せだな…」
自然に笑みが溢れた。
ていうか、亜樹乃のやつ…連絡すらよこさないな。
再び亜樹乃に電話をしてみるが、
プルルル…
プルルル…
機械音が響くだけ。
なにかあったのだろうか。
徐々に心配になってきた…
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