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――10年前――
町外れにある薄暗い木造の小さなボロ家に親子のような二人がいた。
男「なあ、お前は欲しいものが手にはいらない時、どうする?」
父親の様な男が少年に尋ねる、すると少年は少し困ったように答えた。
少年「わかんない、どうすればいいの?」
少年の質問に男は悪党のような笑みをうかべて答える。
男「答えは簡単だ、盗めばいい、バレなければなんの問題もない。」
少年「バレないように盗むにはどうすればいいの?」
少年が二度目の質問をすると、男は急に真面目な顔になって少年に言った。
男「今から10年後、お前が成人するまで嘘のつきかたと盗みの方法を頭と身体に叩き込んでやる。
俺達みたいな人間は社会には混ざれない、それはお前も10年間生きてきてわかっていると思う。
だから盗むんだ、金も物も情報も盗れるものはみんな頂いていけ。それが俺達が生きる唯一の方法だ、いいな?」
長い間話続け、少し疲れたのか男は床に寝転び言った。
男「じゃ、明日から始めるから、今日はもう寝ろよ、“リオン”。」
リオンと呼ばれた少年は父親に言われたことをずっと考えていたが、まだ身体が小さいため、夜更かしはできず、知らぬ間に眠りについていた。
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