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せっかく、望月綾のことを聞こうと思ったのに、それどころじゃなくなった。 三上。 お前がその人に憧れるのは、なんとなくわかる。 でも、必ずしもその人のようになれるわけじゃない。 現実はそんなに甘くない、と思う。 「役者になれなかったらどうするんだよ?」 「わかんないけど、もう決めた。だから、夏休み中に演劇部に入った」 俺は平然とした顔でそう言った三上に、ちょっと戸惑った。 三上がそこまで本気になって、すでに行動を起こしているとは思わなかった。
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