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枕元の携帯が一定の間隔を空けて、ぶるぶる振動している。
「眠い」
長い夏休みが終わって、今日からまた大学の講義が始まる。
なにか夢をみていた気がするなぁ。
俺は夢の内容を思い出しながら、手探りで携帯のアラームを止め、重い眼を開ける。
薄い光が、カーテンの隙間から入り込んで、真っ白な壁紙に反射していた。
二年半が経ち、この素朴な部屋にもすっかり慣れた。
安いというだけで、親父が借りてくれたこのアパートは六畳間しかなかった。
テレビと折り畳めるベッドがあって、小さなテーブルと、古い雑誌や教科書が詰まった本棚という、物が少なく味気ない部屋だ。
置くところがないパソコンは、飲みかけのお茶や、ノートやシャーペンなどと一緒にテーブルの上に置いてある。
広い部屋が良かったから、最初は不満だったけど、今は実家の自分の部屋以上に居心地がいい。
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