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「…あのさ、俺、今期から講義とか頑張るつもりだから」 「なんだよ、それ」 「何でも本気でやろうって決めたんだよ」 「…三上。手遅れ」 「うるせ!」 三上は真面目な方ではない。講義もたまに休むし、成績だって良いとはいえなかった。 「嘘だよ。でも、急にどうしたんだよ?」 「いや、夏休みにいろいろあってな」 「ふーん。まあ、頑張れよ」 「おう。じゃあ学校で」 俺は電話を切って、学校に行く支度を始めた。 講義までまだ時間があるけど、大概いつも早めに家を出る。 焦るのが嫌いだから。 こういうところを、三上は真面目だと思っているらしい。
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