狼と正直少年

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 ドタドタと階段をかけ上がる音が聞こえる。音はかなり短い間隔で四回聞こえるから、おそらく人間ではない四本足の動物の足音だろう。それは少年の部屋に飛び込んで来た。 「わんっ!」  鳴き声から考えて、おそらくは犬だろうが、この部屋の主である豪にとっては、怪物以外の何者でもなかった。 「うわっ!こっち来んな!」  豪はシッシと言うように、飼い犬であるダックスフンドの王我を追い払おうとする。 「豪ー!朝ごはん出来てるんだから早く起きなさい!遅刻すると皇さんに嫌われるわよー!?」  濠は下から聞こえる母親の声を聞き、急いで下へ駆けていった。
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