狼と正直少年

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 今日の朝食は、ハムとチーズを乗せたトーストと、ピーナッツクリームのトーストを一枚ずつと、リンゴに牛乳である。はっきり言ってしまえば作者の朝食そのものだが、あまり気にしないで戴きたい。 「豪ちゃん。そんなに王我が恐いの?家族なのに……。」  隣に座っている豪の妹、邑恵(くにえ)が、人を小馬鹿にしたように話しかけてきた。 「王我が恐いんじゃなくて、犬が恐いの!」  豪は弁解するが、かえって情けなく聞こえてしまう。 「まったくみっともない!こんなに可愛いのに、こんな息子に育てたつもりないわよ!?」  母親が豪をひっぱたいた。 「親父にも殴られたことないのに!」「甘ったれるな!」  今度は邑恵が豪をひっぱたいた。 「俺って主人公だよね?なにこの酷い扱い……。まだ一話だよ?」 「それはそうと、今7時55分だよ。」  邑恵が時計を指差して言った。 「げっ!やっばい遅刻だぁ!」  豪は青いハリネズミもビックリのスピードで家を飛び出して行った。 「豪ちゃんは相変わらずいっつもテンション高いねぇ。」 「邑恵、あんたも遅刻寸前だよ。」 「わぁああっ!急がなくっちゃ!」  邑恵は自転車に股がり、思いっきりこぎ出した。
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