プロローグ

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どこにでもある平凡で平和な町「日和町(ひよりちょう)」 ザー…ザー…ビュオービュオー…ザーザー… ある真夏日に集中的豪雨に見舞われた。 誰も備えから出歩かない静かな町。 コツコッ…コツ…コッ… そんな夜、女が一人フードをかぶり傘もささず早足で歩いている。 《急がなくては…っ!?》 その頼りない腕は何かを守るかのように抱き締められていた。 女「ごめん…ごめん…ね…純…」 純と呼ばれた《それ》は、綺麗な短い金髪をなびかせあどけないかわいい寝顔を作っている。 「スー…スー」 コツコッ…コツ…コツ 早足で歩いていた女はある一つの住宅の前で立ち止まる。 その女の目線の先には 「小春宿(こはるやど)」
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