信濃国殊白稲荷社縁起
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今は昔。 信濃国の峰ふかき地に、千早ぶる神鎮まれり。 いつしか、神ながらにしずまりたる白狐、その験力を以て、産土の地に住みたる、人なる、小さき者どもを守りけるとぞ。 その狐神、産土の地に生を受けしものどもすべて慈しみ、わが怪しき術をもちて栄えを契りたりけるに、黒狐なる狐神、天降りて厳しき術にて小さき者どもを打ちに来ぬ。
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