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アークが大樹の元へ行くと、そこには、シェイドがいた。しかし、シェイドは、何故かは分からないが、ひざを地面に付けて、もがき苦しんでいる。
「うぁぁ…。」
アークは、そんなシェイドに近づき、
頭に手を当てた。
「どけ。」
その一言で、シェイドは何事もなかったのかの様に立ち上がった。
「アーク?」
「邪魔だ!」
アークは、思わず叫んでしまった。しかし、その顔は、とても大雨で濡れているだけだとは思えなかった。
「何か…、あったんだな。」
そう言って、シェイドは、その場を立ち去った。
「おい、神様とやら、まだそこにいるんだろう?出て来いよ。お前の願いとやらは全部聞いてやる。」
すると、また、あの声が聞こえてきた。
「アーク、貴方は、怒りに身を任せ、自分の身を滅ぼそうとしています。それでは、マイさんは喜ばないのではないですか。」
「うるさい!お前に何が分かるって言うんだ!俺は、全てを奪われたんだぞ!さぁ、お前が俺に何を求めてるのかは知らねぇが、全部聞いてやるよ!だから、俺に力をくれ!大事なモノを護れるだけの力を!」
「…。分かりました。しかし、貴方の心に、少しでも雑念があれば、先程の、シェイドの様に、もがき苦しみ、そして、死んでしまいます。覚悟は、出来ていますか?」
「最初からそのつもりさ。」
「では、目を瞑って下さい。」
アークは、言われるまま目を閉じた。すると、様々な映像、感情が、一気に流れ込んできた。
かつて、魔界に封じられた男。
かつて、悪魔の子として世界から迫害された者達。
そんな者達の想いが、アークの中に、流れ込んできた。
なんだ、そんなもんかよ!
アークは、全てをはねのけた。すると、ふっ、と、目の前が真っ暗になった
アークが目を開けると、また、神様は語りかけてきた。
「貴方の想いは、本物のようね。」
「当たり前だ!」
「では、私の願いも聞いてもらいましょう。今、ギガンテスによって、三体の守護竜が眠らされてしまっています。だから、貴方に授けた力で、その守護竜を目覚めさせて下さい。そして、その守護竜の力を授かったら、もう一度ここへ来て下さい。」
「分かった。しかし、何か力を授かった気がしないんだが?」
「いずれ分かります…。」
それっきり、神は何も言わなかった。
アークは、歩き出そうとした。
「待ってくれ!」
どこかで聞いた様な声がした。
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