正体

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妖しさしか醸し出してないオッサンに導かれるままに、俺達は家の中へ。 応接間のようなリビングのような部屋に通され、対面するように座った。 オッサンが言う、 『今日はどうしました?』 医者かよ💧?と思ったが、隣に座る恭ちゃんの肩を抱きながら、 『俺のダチが悪霊に悩まされてて、部屋に出たりして困ってるんです』 内心、笑いそうになったが神妙な顔で話した。 『部屋に出るのはどんな霊ですか?』と、オッサン。 すると、恭ちゃんが蚊の鳴くような声で、 『…落武者…』と。 <恭は以外と役者だな>と素直に思った。 すかさず俺は、 『実は、出るだけじゃないんです…オイ、先生に見てもらえよ』 と、恭ちゃんの足首を指差しながら言った。 すると、恭ちゃんはジーンズの裾を捲り、例のアザを見せた。 アザを見た霊媒師、 『うーん、これは…うーん』と。 <マズイ…バレたか…💧>と、内心ドキドキで額やワキに脂汗を感じた。 だが次の瞬間、脂汗は吹き飛んだ。 『これは……ひどい怨霊の仕業ですな!』 <ん?んん?今、何つった?!怨霊って、言いましたかな?(笑)やっぱりだ!この野郎、インチキだ!> そして、霊媒師改め詐欺師は、 『では、あなただけこちらへ…』と、 恭ちゃんを隣の部屋に連れていき、デタラメなお経を唱え始めた。
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