三学期

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特にかっこよくもない 転入してきた男の子の名前は航次 この航次によって千夜子の残り1年半の小学生生活が色濃いものとなった。 「…航次です。よろしくお願いします」 航次は教室の前で挨拶すると、先生に連れられて雪見の隣りの席に行った。 「隣りだから、仲良くしてやって」 「はぁ~い」 航次が席に着くなり雪見は得意の営業スマイルで話しかけた。 クラスの男の子のほとんどはこの営業スマイルで雪見を好きになったことがある 「あたし雪見!航次くんかぁ…航ちゃんって呼んでいい?」 「……いいけど」 「家どの辺なのー?」 「緑公園のすぐ近く」 「うっそー!近いね!一緒に帰ろうよ」 航次は半ば強制的に雪見と帰る約束をした。 今まで雪見と一緒に帰っていた千夜子と美保は面白くなさそうに顔を見合わせた。 一緒に帰る…?
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