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「おい、あんた―‥」
薫が途方に暮れていると、1台の自転車がブレーキ特有の高音と共に停止した。
その自転車に乗っていたのは、黒髪の似合う同い年くらいの男の子だった。
整った顔立ちだが、意志の強そうな眉が見え隠れしている。
突然声を掛けられ返答に困る。
「え?あの、え…っと..」
「……何年生?」
言いながら
眠そうにあくび―‥
この人は何でそんなことを聞くんだろう?
そんな考えを巡らせた薫だが、答えは直ぐに出た。
突然のことで気が付かなかったが、この少年も自分と同じ制服を着ている。
(良かった~、助かった!)
薫は嬉しくなり、少年のもとへ詰め寄り事の経緯を説明した。
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