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「千秋薫!高2!!あたし、引っ越して来て学校に行くの今日が初めてだから―‥!!」
「‥―道に迷ってたわけね」
うんうんと薫が大きく頷く。
そんな薫を眺め何か考えたみたいだが、何事も無かったように話を進める少年―‥
「俺は晴野巧(はるのたくみ)。あんたと同じ高2だ…」
巧が眠そうな目を擦りながら呟いた。
相当朝に弱いみたい。ふとそんなことを考えていると、巧が唐突に口を開いた。
「ところでさ、さっき気になったんだけど―‥」
薫はこ首をかしげる。
「あんたってさぁ、もしかしてそっちの人なの?」
何を言っているのかまるで分からない。焦る薫に―‥
「初対面でこんなこと言うのも気が進まないんだけどさ…」
一体何を言われるかと、身構える薫。
その様子を眺めながら、ため息交じりに巧が続ける。
「顔はいいんだからさ、その女みたいな言葉遣いやめたら?」
その言葉に唖然とする薫。
なんだか、どっと疲れた気がした…。
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