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「どうした?そんなこの世の終わりみたいな顔して」
自転車を走らせながら後ろの薫に話しかける。
結局迷子の薫を巧が拾う形になったのだ。
誰のせいよ誰の!!
薫は、叫びたい気持ちを押さえ、落ち着いた口調を心掛け説明を始めた――‥
「1つ勘違いしてるみたいだから言っておくけど」
「なんだ?」
ちらっと薫を振り返る。
一呼吸置いてから、
薫が続ける―‥
「実はあたし―‥」
「はい!女コトバ禁止~」
巧が、如何にも引き気味に抗議してくる。
「最後まで聞いて!!」
「へいへい、手短にお願いしますよ~」
何かムカつく、この態度…
黙ってればそれなりにかっこいいのに…。
もういいや!
変な子だって思われても良い!!
…あれ、待てよ?
もう…思われてるか?!
それならそれで良い。
言ってやる!
あたしは女の子だって言ってやるんだ!!!
いつまでも変態扱いされるのは嫌だ。
早く解放されたい!
その一心だった。
「あたし女の子だから!!」
ガシャ――――ンッ‥
思いっきり転けた。
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