5.真実

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「どうした?そんなこの世の終わりみたいな顔して」 自転車を走らせながら後ろの薫に話しかける。 結局迷子の薫を巧が拾う形になったのだ。 誰のせいよ誰の!! 薫は、叫びたい気持ちを押さえ、落ち着いた口調を心掛け説明を始めた――‥ 「1つ勘違いしてるみたいだから言っておくけど」 「なんだ?」 ちらっと薫を振り返る。 一呼吸置いてから、 薫が続ける―‥ 「実はあたし―‥」 「はい!女コトバ禁止~」 巧が、如何にも引き気味に抗議してくる。 「最後まで聞いて!!」 「へいへい、手短にお願いしますよ~」 何かムカつく、この態度… 黙ってればそれなりにかっこいいのに…。 もういいや! 変な子だって思われても良い!! …あれ、待てよ? もう…思われてるか?! それならそれで良い。 言ってやる! あたしは女の子だって言ってやるんだ!!! いつまでも変態扱いされるのは嫌だ。 早く解放されたい! その一心だった。 「あたし女の子だから!!」 ガシャ――――ンッ‥ 思いっきり転けた。        
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