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「…あんたは女…、俺と同い年…、転校生…」
一言一言確認するようにゆっくり言葉を並べると、ジッと薫の目を見る。
強い意志のこもった瞳に見つめられ、薫はぎこちなく頷き返す。
それを見届けると、視線を宙に戻し、巧みは独り言の様に続けた。
「転校生…?男…?」
訳が分からない。
もどかしい。
薫としては、はっきり言って欲しい。
学校だってあるのに…。
「ねぇ、学校…ッ」
言いかけたところで、巧が薫の肩を掴む。
「え?…何‥か…??」
目を丸くするあたしに残酷な言葉が告げられる。
「今日来る転校生は、男ってことになってる。何故か朝会で校長が直々にあんたのこと話してた…。」
「はいぃいィ――???!!」
薫は目の前が
真っ白になった…
しかし、ゲームオーバーになる訳もなく―‥
薫にとっての試練のハジマリに過ぎなかった――‥。
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