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「…はぁ~い」
新しい制服を持ち、自室へと戻る。
あたしが何故転校しなければならなかったかと言うと、問題はこの顔にある。
あたしの人生で一番辛い思い出なので、そこはあえて聞かないでほしい。
「はぁ~‥また髪の毛短くなっちゃった…」
そんなことを呟きながら制服を着ようとするあたし―‥
(ん?‥――あれれ??)
直後、家中を駆けめぐるあたしの叫び声。
その叫びを聞きつけた母と姉がニヤニヤしながらやって来た。
「どうしたの?薫」
「早く着替えないと学校遅刻するわよ?」
こいつらだ…
犯人は絶対こいつらだ…!!
木々が青々と生い茂る高2の初夏、母から手渡された品の良い制服は…
女性用の品ではなかった――‥
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