1.ドSな罠

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「…はぁ~い」 新しい制服を持ち、自室へと戻る。 あたしが何故転校しなければならなかったかと言うと、問題はこの顔にある。 あたしの人生で一番辛い思い出なので、そこはあえて聞かないでほしい。 「はぁ~‥また髪の毛短くなっちゃった…」 そんなことを呟きながら制服を着ようとするあたし―‥ (ん?‥――あれれ??) 直後、家中を駆けめぐるあたしの叫び声。 その叫びを聞きつけた母と姉がニヤニヤしながらやって来た。 「どうしたの?薫」 「早く着替えないと学校遅刻するわよ?」 こいつらだ… 犯人は絶対こいつらだ…!! 木々が青々と生い茂る高2の初夏、母から手渡された品の良い制服は… 女性用の品ではなかった――‥  
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