3.迷子

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「行ってきま~す!!!」 慌てて家を飛び出すあたし。 実は、家族と揉めてる内にも、家を出なきゃいけない時間をとっくに過ぎていたのだ! さらさらのショートヘアを揺らしながら道を駆け抜ける―‥ …美少年?? いや、違う!!! あたしは列記とした女の子! 女の子なんだってばぁ!!! そんな心の叫びも虚しく、きっと道行く人は誰一人として薫が女の子だとはお世辞にも思わないだろう。 そう、スカートを履いていればまた別の話しになるのだが…。 結局薫は、男子用の制服で家を出た。 時間もなかったと言う理由もあるが、やはりあの二人に勝てる自信がなかったと言うのが一番の理由だ。 家から学校までは片道25分と聞いている。 授業開始まであと20分! 走ればまだ十分に間に合う。 そんなことを考え先を急ぐ薫だったが…。  
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