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「辛いことだが」
「母さんが死んだなんてウソだ・・・」
「そう思いたいだろうが・・・」
ルイスは、これ以上何を言っても何も変わらないのだと悟り、口を紡いだ。
(こんなに辛いことばかりなら・・・・・
感情なんて・・・・なければよかったのに)
「・・・・もういいかい? ルイスよ。」
ルイスは無言でうなだれた。
「・・・ではもう、お別れだ。友達や同級生と話がしたいとは思うが、お互い辛すぎる別れなので大人達だけの立会にしてある。悪く思わんでくれ。
さぁ、ではこれを飲んでくれルイス。苦しまずに逝かせてやれる。」
ルイスはゆっくりと口を小さく開けた。
その時、
「ちょっと待ってください!」
不意に男の声がした。
集まっていた全員がその声のほうを振りかえった。
そこには、黒いアイパッチを付け、長くも短くもない茶色の、白髪の混じった髪を持ち、ロングコートを羽織った50代半ばくらいの男が立っていた。
「あなたは・・・?」
長老が尋ねる。
「私はルドゼブ・セルナという者です。」
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