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「何? 母さん。」
「また上位に入れなかったんだね。」
ゆっくりと振り向き、重々しい口調で母親は言った。
「?」
ルイスは母親の左手ににぎられている一枚の紙に目をやった。
「・・・・・!」
(こ・・これは先週の総合試験の結果表! よりによって・・・
よりによって母さんの誕生日に届くなんて!!)
「いつも言っているでしょ? 上位五位くらいに入っていなければ、いい仕事に就けないのよ?!」
(・・・・いい仕事なんてできなくていい・・ それに一体何がいい仕事なんだよ。
・・・母さんの説教は始まると長いんだよな・・・まともに聞いてると頭おかしくなりそうだから聞き流そう・・)
「この国はいつ崩壊してもおかしくないくらいの経済状態なのよ?! いつ貧困に苦しむ時代が来るかわからないの!!
男の子は妻と子供を責任もって養わなければいけないの!
あなたはそのために先進国で働けるだけの教養をつけなきゃダメなのよ!?」
母親の話は延々と数時間続いた。
(いつもいつも聞かされてる話なのに、なんでこんなにしつこく言ってくるんだろう・・ボクの気持ちはいつも無視してお母さんは言いたい放題。・・・ボクには自由はないのかな・・・)
その時、
ズキン!
「いっ・・!」
ルイスに激しい頭痛が起こった。
(?! ・・何だろ? こんなに頭がいたくなること今までになか・・)
(うるせえババァだな・・・)
突然誰かの声が頭の中に響いた。
(!? 誰っ??・・・・)
(・・・・・・)
(・・・気のせいか・・・)
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