第一話 現れた人格

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「う・・・」 ルイスは気を失っていたようだった。 「!」 目の前には自分を取り囲んで立っている村の人々がいた。 (村のみんな・・・どうして?) 「ギシッ」 「!」 体を動かそうとした瞬間、何かがルイスの自由を奪っているのに気がついた。 それは何重にも巻き付けられたロープだった。 「どうして・・・」 「どうしてだと?」 ふいに村人の中の一人が言葉を発した。 「てめぇ、とんでもないことしでかして そこに縛られてる意味がわからねえってか?」 「とんでもないこと?  ・・・ボクが何かしましたか?」 ルイスはおそるおそる聞き返した。」 「ふん、とぼけやがって・・・。 実の母親殺しといて、シラをきってんじゃねえよ!!」 「!!」 (ボ ボクが母さんを?!  ウソだろ?!) 「意識が戻ったようだな ルイス」  たくさんの村人の間から、長老が姿を現した。 「長老!」 「なぜそこに縛られているのかはわかっとるな?」 「・・・いえ 全く・・」 ルイスは元気なく答えた 「貴様まだしらばっくれ・・!」 「やめろロゼル」 ルイスを責める青年を長老はなだめた。 「ですが長老!」 「いいから黙っておれ。  これおまえたち! もってきなさい」 長老は他の村人に何か持ってくるよう指示した。 まもなくルイスの目の前に大きな長方形の箱が置かれた。 ルイスの前で、箱の蓋がそっと開けられた。
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