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「そうか・・・。プレゼントの箱もあることだし、キミのいつもの行いからして、嘘を言っているとは思えんな。」
ルイスは、とりあえず信用してもらえたことにほっとした。
が、
「しかしキミが母親を殺したのも事実だよ。」
「!」
長老は袋に入った瓶の破片をルイスに見せた。
「これはキミがお母さんを殴った花瓶だ。 」
「えっ!?」
「キミはこれを握ったまま気絶していたんだ。」
「!!! ち、違います! ボクは母さんを殺してなんか・・」
「ルイス」
長老の言葉がルイスの言葉を遮った。
「キミは悪くない。先進国ではよくあるそうじゃ。 勉強勉強と、嫌なものを強いられ、
初めは従っているが、年を重ねるごとにストレスというものが溜り、
ある時爆発、キミのような従順な子が無意識のうちに犯罪を犯すことが多いそうじゃ。
この村も先進国の影響を除々にではあるが、受け始めている。」
ルイスはただ黙って聞いていた。
「しかし、キミが悪くないといっても犯した罪は最も悪い。
実親を殺めるということは、己の死をもってしても、とても償えきれるものではないものだ。」
長老は目で、村人の一人に何か合図を送った。
すると、指示を受けた村人が、紫の液体の入った小さな瓶を持ってきた。
大勢の人々の視線が、いっそう強く、ルイスに向けられた。
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