大切なモノ…

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残されたムゲンは、人魚の遠ざかり背中を 暫く見やった。 そしてーー… 「…代金は…貴方の“声”を頂きます。毎度有難う御座います…。」 誰に告げるでもなく、ムゲンは言うと、闇に消えたーー… 何も知らない人魚は、愛する人の元へと辿り着く前に、門番により、牢獄行きになったーー……。 歌う事はおろか、声を出す事さえできぬまま、一生を終えたーー……。 ムゲンの消息は…誰も判らなかった…。 ……end。
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