序章

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「えっ!? …消えた!!?」 湊は男の子が居た場所を、何度も目をこすって見たが、本当に男の子は消えてしまったようだった。 「え……もしかして……幽霊!?」 辺りを見回しても…やっぱり居ない。 「……見ちゃった…!…しかも…会話まで…!!」 怖いような嬉しいような複雑な気持ちのまま、湊は1人で騒いだ。 その時、 「誰っ!!?」 「!?」 暗いラウンジの奥から、女の声が響いた。 湊はびっくりしたが、闇に慣れ始めた目を凝らして 声がした方を見る。 そこにいたのは…湊と年齢が近いように見える、少女だった。 栗色の髪、ピンクのカーディガンに短めのプリーツスカート、ハイソックスにブラウンのローファー… けれど、その短いスカートから覗く太ももには、明らかに少女には不似合いなモノが付いていた。 ………拳銃だ。 少女はこちらを見据え、相手が分からない緊張からか 息を切らす。 じりっと一歩後ずさりをすると、自分に言い聞かせるように、繰り返し小声で呟いた。 「……大丈夫……あれだけ…練習もした…!………できる!………できる!!」 その瞬間、少女は拳銃に勢いよく手をかけた。 『!撃たれる!!』 湊は咄嗟に体を丸めた。 …けれどその時、 「待てっ!!」 奥からまた違う女の声が響いた。
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