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寂しそうな表情を浮かべる陽子ちゃんに、
「うーん……確かに実感は湧かないよね。」
俺はそう答えた。
実感が湧かないのは、俺も同じだしね。
「えっとね正秀くん。私…お兄ちゃんが居るんだ」
陽子ちゃんは、寂しげな表情のまま、小さな声でそう言ったのだった。
陽子ちゃんは言葉を続ける。
「お母さんとお父さんが離婚してから会ってないんだけどね……」
言い終わった時の陽子ちゃんの顔は、とても寂しそうで悲しそうだった。
兄さんが好きだったんだろうな……
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