3337人が本棚に入れています
本棚に追加
家はマンションで事務所が借りてくれている。
「ピンポーン」
しーんとした部屋にチャイムの音が鳴り響く。
て言うか、ウルサい
「はーい」
とりあえず出てみたら見覚えのある顔が目に入る。
「藍川 陸さんやったっけ?」
「ハイ
ナンデアナタガココニ?」
「片言になってるぞ…」
「すいませんでした」
藍川さんは顔を赤らめ猛ダッシュで逃げていった。
その事件から数分後。
「陸ちゃんいる?」
「もうとっくに帰りましたよ」
「また何かしたの」
「変な言いがかりをつけないでください
あと前科があるみたいな言い方もしないでください」
「は~い」
返事だけは元気がいい。
「いないんじゃあ仕方ないわね」
逃げるように去っていく。嵐のような10分間だった。
次の日は仕事も学校もなにも異常はなかった。
ただ、藍川がチラチラ見てきたり、笹木さんが時々にやにや笑っていた以外は……
最初のコメントを投稿しよう!