第1話 転校生がやって来た

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学校が終わり、すぐに事務所に向かう。 「笹木さんそう言えば今日って大きな仕事がある日でしたよね」 A4の紙に書いてあった仕事が終わってから気になっていた。 「そうね」 満面の笑みで俺を見る。 すべてお見通しというわけですか。 「さてそろそろ準備ができたかな」 笹木さんがほとんど使われてない事務所の一室に入りながら言う。 「まさかユニットでも組めとでもいうんですか?」 「あらよく分かったわね」 「嫌ですよ ユニットなんて」 この一年間、孤独のアイドルと言われてきたのにそれを崩すとは…… なにを考えているのか分からない。 「そろそろ友達も作りなさいよ」 母親のようにいいやがる。 重い沈黙が流れる。 そのときに聞こえるのは服と服がこすり合う音だけだ。 「よしできた」 笹木さんが出てきた。 「こちらあなたとユニットを組むことになったリク君です」 笹木さんの拍手で迎えられ、リクと呼ばれた少年の年は同じくらいだ。 外見は腰までありそうな長さの髪を頭の上で結い上げ、かなりのイケメンだ。 「初めまして リクと申します」 丁寧な挨拶。声はかなり高い。 どっかで聞いたことがあるような?
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