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学校が終わり、すぐに事務所に向かう。
「笹木さんそう言えば今日って大きな仕事がある日でしたよね」
A4の紙に書いてあった仕事が終わってから気になっていた。
「そうね」
満面の笑みで俺を見る。
すべてお見通しというわけですか。
「さてそろそろ準備ができたかな」
笹木さんがほとんど使われてない事務所の一室に入りながら言う。
「まさかユニットでも組めとでもいうんですか?」
「あらよく分かったわね」
「嫌ですよ
ユニットなんて」
この一年間、孤独のアイドルと言われてきたのにそれを崩すとは……
なにを考えているのか分からない。
「そろそろ友達も作りなさいよ」
母親のようにいいやがる。
重い沈黙が流れる。
そのときに聞こえるのは服と服がこすり合う音だけだ。
「よしできた」
笹木さんが出てきた。
「こちらあなたとユニットを組むことになったリク君です」
笹木さんの拍手で迎えられ、リクと呼ばれた少年の年は同じくらいだ。
外見は腰までありそうな長さの髪を頭の上で結い上げ、かなりのイケメンだ。
「初めまして
リクと申します」
丁寧な挨拶。声はかなり高い。
どっかで聞いたことがあるような?
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