目覚め

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裕樹は、ピクリと 肩を動かした。 不思議そうな 声を出して、 あたしは何を 言ってるんだよ と思った。   『そうだよ。彼女がいるのに、あたしにキスした。さよならしたのに、あたしの側に居た!……そんなのッ!』   あたしは、一度 言葉を止めた。 あたしが崩さなければ 彼はあたしを見放したり なんかしないかも。 なんて、自惚れて みたんだ。   でも、すぐにその 考えは捨てた。   『慰めとしか取りようがないじゃない。』   『……』   『もう、優しくしないで。もう、あたしに構わないで!裕樹は、彼女だけを構ってればいいの!!』   本当は、好き。 だけど、あなたには 彼女が居た。 あきらめるしか ないじゃない。   『もう一回、さよならしよう?』   大丈夫。 あたしは、笑えてる。
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